| | 要旨トップ | ESJ73 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S28 3月13日 14:00-17:00 Room F: 京大国際31
送粉(Pollination)、植食(Herbivory)、種子散布(Seed Dispersal)、防御共生(Protective mutualism)など、昆虫と植物の間には、多様で魅力的な相互作用が存在する。両者は、互いに利用し合い、時に拮抗しながら進化し、今日の多様な生態系を築いてきた。
しかし、これらの相互作用の背後にある分子・生理・生態的機構については、依然として多くの謎が残されている。一方で、こうしたメカニズムを探る植物学者と昆虫学者は、それぞれ異なる学会や研究コミュニティに属することが多く、知見の共有が十分とは言えないのが現状である。
本シンポジウムでは、植物学と昆虫学の研究者が一堂に会し、植物―昆虫相互作用の機構・多様性・進化について、学際的な視点から議論する。とりわけ今回は、相互作用の主要な軸である「誘引」と「忌避・防御」に焦点を当て、「送粉」と「植食」をテーマに、植物側・昆虫側の双方から多様な研究事例を紹介する。
本シンポジウムを通じて、植物と昆虫の相互作用に関する理解が一層深まり、分野を超えた新たな連携や研究の展開が生まれることを期待する。
[S28-1]
ネコのマタタビ反応の原因成分の植物における蓄積・放出、そして昆虫との関係
Accumulation and release of metabolites responsible for "Matatabi reaction of cats" in plants and their interactions with insects
[S28-2]
静かなる攻防戦 ― 植物が昆虫の食害を感知し、応答する仕組み
Silent battle: How plants sense and respond to insect herbivory
[S28-3]
さまざまなスケールから眺めた植物とそれを食べる昆虫のせめぎあい
The struggle between plants and their herbivorous insects across multiple scales
[S28-4]
異なる目的で花を使い分けるショウジョウバエの巧みな訪花戦略
Adaptive Flower Use in Drosophila Reflecting Ecological Purpose
[S28-5]
アリを描く花の匂い―ハエを誘う新奇な花の戦略
The Ant Shaped in the Scent: a novel strategy for fly pollination
[S28-6]
花の香りの進化遺伝学から紐解く送粉共生系の多様化
Evolutionary genetics of floral scents: toward unraveling the diversification mechanisms of plant-pollinator interactions