| | 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W11 3月12日 17:15-18:45 Room C: 京大4号21
生物間の関係性は複雑多様であるが、なかでも共生関係は古くから生物学者の関心を惹いてきた興味深い関係性である。現在に至るまでの膨大な研究によって共生関係の進化生態学的理解が進められてきた。特に注目すべきは、微生物を活用した共生関係の実験検証的な研究である。複数種類の細菌を用いた微生物生態系の実験室進化は我々に共生関係を含む相互作用が如何にして生じ、維持され得るのかについて詳細を語ってくれる。また、微生物は地球上のあらゆる環境に生息し、微生物間の共生関係、微生物叢と宿主の共生関係が複雑に築かれている。この複雑化された実システムにおいて共生関係が如何にして生じ、生態進化学的動態を駆動するのか、それを理解する良い実験場が腸内環境と言えるだろう。このような共生関係の生態学的意義を腸内環境のみならず、野外の高度に複雑化された系で検証するような挑戦的な研究も展開されている。この自由集会では微生物集団周辺の共生関係に関する最新の実証研究を紹介し、生物群の垣根を超えた生態学に一般化できる示唆を提供したい。
[W11-1]
競争関係と共生関係がもたらす微生物叢の群集・個体群動態
Community and population dynamics of microbiomes driven by competition and mutualism
[W11-2]
ヒト乳児期にて築かれる腸内細菌と宿主の共生システム
Symbiosis between gut bacteria and the human host established during infancy
[W11-3]
人工微生物生態系の生物間相互作用がもたらす進化的影響を実験室進化を通して検討する
Exploring the evolutionary effects of microbial interactions within the communities via laboratory evolution