| | 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W19 3月12日 19:00-20:30 Room A: 京大4号30
科学的発見には、研究者の独創的な発想だけでなく、技術革新の進展が不可欠である。近年、生体内の分子群を網羅的に解析するオミクス技術(ゲノミクス、トランスクリプトミクス、エピゲノミクスなど)は、分子生物学の領域で発展してきたが、生態学への導入により、野外環境下での生物の応答や相互作用、進化を、従来の個体レベルでの観測を超えた解像度で明らかにしつつある。こうして得られる大規模な分子情報は、機械学習などの情報解析技術と統合され、「生態系オミクス」とも呼ぶべき新たな研究領域の急速な展開を促している。しかし、これらの知見を生態学の新たな概念形成へと結びつけるには、なお課題が多い。本集会では、植物および動物を対象に生態系オミクス研究を推進する研究者を招き、最先端の成果と今後の展開を議論する。また、若手研究者にも申請可能なJST ACT-X や、 JSPS学術変革領域研究など外部資金の獲得経験も共有し、次世代の生態学を担う若手がどのように異分野融合を進め、独立した研究を展開できるかについて展望したい。
コメンテーターとして高橋佑磨さん(千葉大学)にご登壇いただき、「個体群動態の高次ゲノミクスと高次遺伝基盤」の研究を踏まえた今後の展望についてお話いただきます。
[W19-1]
数理モデルと野外オミクス解析が明らかにする森林生態系の開花同調メカニズム
When theory meets technology: unveiling coordinated gene expression driving forest flowering synchrony
[W19-2]
比較分子フェノロジーと機械学習の融合が予測する生態系の応答
Integrating comparative molecular phenology and machine learning
[W19-3]
ショウジョウバエの群れ行動にゲノミクスで迫る
Genomics behind collective freezing of Drosophila