| | 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W20 3月12日 19:00-20:30 Room B: 京大4号31
日本国内の各地域では、気候変動が地域の自然に与える影響の評価と、緩和・適応策の検討、人口減少局面における自然生態系の持続可能な利用や保全・修復など、多様で複雑な課題が同時に発生している。こうした課題に対応するため、自然生態系の現状を把握するための基礎調査や、成り行きの将来・望ましい将来・現実的な介入策を比較検討するシミュレーションモデルの開発、さらにはステークホルダーを巻き込んだ保全活動の実践が各地で進められつつある。
しかし、これらの取り組みは地域ごとに個別に行われることが多く、調査〜モデリング〜地域での意思決定・行動変容を含む社会実装までを連携させるための知見が、体系的に共有されていないのが現状である。そのため、モデリングは進んでいるが社会実装に至っていない事例、逆に社会実装は進んでいるがモデリングが追いついていない事例、さらには両者を橋渡ししようとする試みなど、異なる段階や方向性の実践が同時並行的に展開している。
本自由集会では、モデリング側・実践側・その中間に位置する若手研究者に話題提供をお願いし、モデリングと社会実装をつなぐ実践知の共有を目指す。また、総合討論では、地域課題に取り組む多様な研究者・実践者のあいだで、「調査・モデル・実践をどう接続するか」という視点から対話を深め、今後の研究・協働の方向性を探る。
[W20-1]
地域に根ざしたモデリングとは？―生態系管理の研究・実践の境界から考える―
What is place-based modeling? Exploring the boundary between research and practice in ecosystem management
[W20-2]
森林の将来予測を管理に活かすには―モデリングの成果と課題―
Applying future projections of forest ecosystems to management: Achievements and challenges of modeling
[W20-3]
誰のためにどの速さで森を戻すべきかを知床の森から考える
Who should benefit, and how fast should we restore forests? Exploring intergenerational perspectives from Shiretoko National Park
[W20-4]
流域管理における現場課題とモデリング
Practical challenges and modeling for integrated river basin management
[W20-5]
生態系保全を目指した人工林管理の実践を通してモデリングに期待すること
What is expected from modeling through the practice of managed forestry aimed at ecosystem conservation
[W20-6]
多主体協働による里山再生の実践と課題 ―地域の中で何をどのように再生するのか―
Practices and challenges of Satoyama restoration through multi-stakeholder collaboration – What and how to restore in local communities?