| | 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W23 3月12日 19:00-20:30 Room E: 京大国際32
海と陸の間のごく狭い範囲に成立する海浜草原には、ハマニガナ、ハマヒルガオ、ハマボウフウなど多様な海浜植物が生育し、季節に応じて美しい花が浜辺を彩る。海浜植物は、海浜という塩分と強い光、強風によってもたらされる特殊な環境に適応し、海流散布、砂の埋没への耐性、高塩分耐性など生理的、生態的にユニークな特徴を持っている。また、海浜植物群落は、海から陸への移行帯に位置しており、わずか数百メートル程度の幅の中で急激に種組成が変化していく。このように、海浜草原とそこに生育する海浜植物は、生態学の研究対象として魅力的な存在である。一方、開発、海岸侵食、気候変動などにより、自然海岸の面積減少や植物群落の衰退が問題となっており、保全上も重要な生態系である。しかし、内陸の半自然草原や森林に比べると研究の蓄積は不足しており、海浜植物が、特殊な環境の中でどのように個体群や群落を形成し維持しているのかについては十分にわかっていない。本自由集会では、日本の代表的な3箇所で取り組んでいる研究を紹介し、海浜植物を対象とした生態学の魅力を発信するとともに、海浜植物の個体群および群落の形成過程の解明に向けて、これまでの研究を整理し、今後の研究の発展について議論する。
コメンテーター:丑丸敦史(神戸大)
[W23-1]
北海道石狩浜における海浜植物の再生パターンの種による違い
Difference in restoration patterns among coastal plant species on Ishikari Coast, Hokkaido
[W23-2]
クローン植物ハマエンドウの種子繁殖-種子はめったに新たなパッチ形成に貢献しない-
Seed propagation of the clonal plant, Lathyrus japonicus: Seeds rarely contribute to patch formation
[W23-3]
スナビキソウの分布に砂浜の衰退が与える影響
Impact of sand beach decline on the distribution of Heliotropium japonicum
[W23-4]
天然記念物鳥取砂丘における海浜草原群落の分布パターン
Distribution patterns of coastal grassland communities in the Tottori Sand Dunes