| 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


自由集会 W35  3月13日 17:15-18:45 Room H: 京大総合北25

芦生研究林を語りたい〜通い詰めた学生が,改めて考えた研究林の良さ〜
Sharing our story about Ashiu: What we realized about its value after years of field work as students

惣田彩可(京都大学), 持留匠(京都大学), 杉本廉(神戸大学), 大上迪士(京都大学), 太田果南(京都大学)
Ayaka SODA(Kyoto University), Takumi MOCHIDOME(Kyoto University), Ren SUGIMOTO(Kobe University), Tadashi OKAMI(Kyoto University), Kana OTA(Kyoto University)

京都大学芦生研究林は、林学の演習・研究の場として設置されたが、林学にとどまらず幅広い生物の生態や物質循環が研究されてきた。現在でも、その関西屈指の自然度を生かして,様々な大学・部局の研究者によって活発に利用されている。
芦生の環境やフィールド調査の魅力に惹かれて、芦生で調査をしているわたしたち学生。私たちは芦生研究林ならではのサポートを受け、長期的な観察やフィールド実験を行い、研究を進めることができた。そして、山からおりてきて夜の宿舎では、たまたま調査に来ている多分野の研究者と話す機会がしばしばあった。意図的な学際研究とも、研究室のゼミとも違う形で、自然と発生した研究交流は、自分の研究の位置づけやスタイルについて悩み、見出す場であった。そんな芦生での研究生活を振り返って、研究林で研究ができた意味について改めて考えみることにした。
本集会では、芦生研究林で異なる分野の研究をする学生5人が、自らの研究を紹介するとともに、それぞれが思う「芦生研究林だからできたこと」「芦生研究林ならもっとできそうなこと」について共有する。これらをもとに、研究林で研究をすることの魅力と、生態学の発展において研究林が果たすことのできる役割について議論したい。本集会は、研究林で研究をしている人、したい人が集まり、意見を交わす場となることを目指す。
=演者 と研究テーマ=
惣田彩可(京大・理)「冬の芦生で発見して、春の芦生で検証したミソサザイの繁殖戦略」
大上迪士(京大・農)「源流域で河川水中の微生物群集の形成メカニズムを調べる」
太田果南(京大・農)「自動撮影カメラで覗く芦生の哺乳動物の生き様」
杉本廉(神戸大・農)「指標種である大型地衣類Lobariaの生態学的研究」
持留匠(京大・農) 「樹木の幹から出るメタンガスを測る:いくつかの学問分野のはざまで」


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