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自由集会 W04

生態から種分化に迫る

企画者:細 将貴(京大・理) 高橋 鉄美(京大・理)

いま我々が目にしている生物の種多様性は,膨大な回数で繰り返された種分化の産物である。種分化とは,互いに交配可能な個体の集まりの中で,集団間に生殖隔離が進化するプロセスを指す。そして生殖隔離の多くは物理的に隔てられることで集団間に生じた遺伝的分化の副産物であるという考え方が,一般に受け入れられている。しかし,生殖隔離の進化は偶然の産物に過ぎないのだろうか。物理的障壁が解かれたあとも生殖隔離が維持され続けているのは,たまたまなのだろうか。近年,生態的な分化が生殖隔離を促進し,維持するという考え方(生態的種分化:ecological speciation)にそって,多くの研究が展開されている。本自由集会では,植物,植食性昆虫,淡水魚,巻き貝を材料に,生態からの視点で種分化のプロセスを解明しようとする,さまざまなアプローチを紹介する。

日本生態学会