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全体シンポジウム 3月21日(金) 9:00〜12:00 会場:大ホール
L2: 分子生態学:分子生物学的アプローチが拓く生態学の新たな展開
Molecular Ecology: Molecular Biology Techniques Open New Windows into
Ecological Studies
革新的な技術の導入によって、生態学にも新しく刺激的な進展の波がおしよせている。
ここ10年ほどの分子生物学的技術を利用した解析により、これまでの生態学的な
アプローチだけでは見えなかった部分が続々と明らかになってきた。分子生態学には
種分化、浸透交雑、集団の歴史、交配様式、遺伝子流動、共進化、遺伝子のゲノム内
闘争などの様々な研究要素が含まれる。こうした技術が適切に使われることにより、
生態学への理解はいちだんと深まるであろう。また将来的には、環境適応形質の
遺伝的な背景及びその役割と機能までも理解することも可能になると期待される。
本シンポジウムでは、分子生物学的手法を用いて様々なスケールの生物現象の解明に
とりくんでいる気鋭の研究者の方々を演者として、分子生態学およびその関連分野の
最先端の研究成果について紹介していただく。
企画責任者:
津村義彦(森林総合研究所)・
深津武馬(産業技術総合研究所)
プログラム
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Concomitant postglacial migration and introgression in oaks
(ナラ類の氷河期後の随伴移動と浸透交雑)
Remy J. Petit (INRA, Unite de Recherches Forestieres, France)
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Molecular approaches to the analysis of regeneration process of forest trees
(森林の更新過程解析のための分子生態学的アプローチ)
陶山 佳久(東北大学・農学部)
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Conservation genetics of endangered species, Primula siboldii
(希少種サクラソウの保全遺伝学)
津村 義彦(森林総合研究所・森林遺伝研究領域)
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Aphid and its endosymbiotic bacteria as a compact ecosystem
(アブラムシと共生細菌:コンパクトな生態系における相互作用の諸相)
深津 武馬(産業技術総合研究所・生物機能工学研究部門)
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Horizontal gene transfer from Wolbachia endosymbiont to insect host: insights from ecological points of view.
(共生細菌Wolbachiaから昆虫への遺伝子水平転移:なにが見えてくるのか)
今藤 夏子(東京大学・広域システム)
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Genome as a community of selfish genes, or, why restriction enzymes are present
(利己的な遺伝子の社会としてのゲノム、あるいは、制限酵素はなぜあるのか)
小林一三(東京大学医科学研究所・遺伝子動態分野)