| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) PA1-120
植生遷移が進むにつれて、鳥類相が変化することはよく報告されている。鳥の種類や採食する餌資源(果実食・昆虫食)などによって、植生への対応が異なることが言われている。しかし、私たちのこれまでの研究から、同種の鳥でも複数の餌資源を利用して生息していることが分かっており、同種の鳥が採食する餌資源は植生によって変化する可能性が考えられる。そこで、異なる植生間において、鳥類の種・属レベルでの食性や排泄される種子を詳細に調べる必要があると考えた。調査は2008年10月から12月に、マレーシア、ボルネオ島、ランビル国立公園周辺の焼畑休閑林内に設置された10プロットで実施した。カスミ網を用いて、鳥を捕獲した。捕獲した鳥の糞を採取し、その糞の内容物(種子・節足動物)と種子の種類や量を記録した。焼畑休閑林は休閑年数によって、遷移初期と後期に分けて、解析を行った。以上の調査から、植生遷移の初期と後期の森林間で(1)鳥の種類・個体数、(2)食性(種子・節足動物)、(3)排泄される種子の種類・量がどのように異なるのかについて明らかにし、植生遷移における種子散布者の役割について考察する。