| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) PB1-240
繁殖器官(つぼみ・花・果実)への食害は様々な植物で見られるが、食害の受けやすさは種によって異なっている。では、植物のどのような特徴が、繁殖器官への食害を受けやすさに影響しているのだろうか?
これを明らかにするため、2008年の8〜12月、宮城県と岩手県でキク科植物13種(※)をサンプリングし、つぼみ期・開花期・果実期ごとに、頭花の食害率(食害された頭花数/全頭花数)・形態的特徴(頭花の数・頭花内の小花の数・開花期の頭花の直径・頭花の乾燥重量)・生理的特徴(窒素濃度・水分含有量)を測定した。
種間比較の結果、頭花内の小花数が多いほど、開花期の食害率が高かった。しかし、頭花数・頭花の直径・生重量・乾重量・窒素濃度・水分含有量とそれぞれの時期の食害率の間には有意な関係は見られなかった。
食害は、時間的にも空間的にもばらつきが大きいことが知られている。今回は各パラメーターと食害率との間に、有意な関係は検出できなかったが、今後サンプリング地点やサンプル数、種数を増やしていくことで、有意な関係を検出できるかもしれない。
※ノブキ・オオアワダチソウ・ブタナ・オオハンゴンソウ・ガンクビソウ・ヒメジョオン・ノボロギク・アキノノゲシ・シロヨメナ・ハキダメギク・ノコンギク・ヒヨドリバナ・ベニバナボロギク