| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
シンポジウム S06-4
最近、日本でも持続可能な社会が各地で模索され始めたが、まだ明確な姿が描かれていない。我々は“真の持続可能社会”を、環境的・社会的・経済的側面も視野に入れた、社会総体としての持続性を有するものと考えている。そこで、滋賀県を対象に新たな社会のビジョンを具体的に描き、そこへの道筋を探ることを試みている。
具体的には、滋賀県におけるマクロ経済の動向とその下での民生・産業・運輸部門の諸活動、そしてそれらの活動に伴うエネルギーバランスや二酸化炭素排出構造の変化に至るまでの関係を複数のモデル群により表現、これらを連結することで、社会システムのあり方から環境負荷発生量までを一連のものとして推計することが可能なツールを構築した。
このツールを用いて2030年における滋賀の産業、家庭、業務、運輸部門の活動量を推計し、それを基に、エネルギー消費量とそれに伴う温室効果ガスの排出量の計算を行い、“2030年時点で温室効果ガス排出を1990年比で50%削減”の目標を達成した滋賀の姿を、定量的にまとめた。今回はそれらの一連の作業を紹介する。