| 要旨トップ | ESJ56 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


シンポジウム S06 -- 3月18日9:15-12:15 L会場

生態学と持続可能性科学の新しい関係

企画者: 谷内茂雄(京大・生態研)

人間活動による生態系の劣化に抗して、生態系サービスや生物多様性を持続的に維持するためには、私たちの社会経済システムの変革を通じた生態系の保全・再生が不可欠となる。このような時代の要請に呼応して、アカデミズムにおいても、生態系を「社会−生態システム(Social-Ecological System)」として包括的に捉える学際的なアプローチが勃興し、持続可能性科学(Sustainability Science)や地球環境学といった名称で、保全生態学の発展の上でも不可欠となる概念と枠組を急速に統合しつつある。このシンポジウムでは、話題提供者による具体的な事例研究をもとに、1.社会−生態システムのレジリアンス(復元力)向上の条件、2.社会−生態システムのリスク管理、3.生態系管理のためのガバナンス促進の条件、4.持続可能な社会シナリオ構築の方法、の4つの主題から、新しい学問創出の根底にある問題認識、基本となる考え方、今後の課題をわかりやすく解説してもらう。その上で、コメンテータとともに、生態学と持続可能性科学・地球環境学の相互交流による新しい研究の可能性を議論したい。

コメンテータ:齊藤修(早大・高等研)、佐竹暁子(北大大学院・環境科学院)他

[S06-1] 旱魃に対して脆弱な社会−生態システムのレジリアンス向上の条件 梅津千恵子(地球研)

[S06-2] コイヘルペスウイルス感染症を事例とした病原生物と人間の相互作用環の解明 川端善一郎(地球研)

[S06-3] 生態系管理におけるコミュニケーションと社会関係資本によるガバナンスの促進 谷内茂雄(京大・生態研)

[S06-4] 滋賀県における持続可能な社会シナリオの構築 金再奎(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)


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