| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


シンポジウム S20-4

Janzen-Connell 仮説の温帯林での有効性

*山崎実希, 清和研二 (東北大・院・農)

Janzen-Connell仮説は種多様性を説明する仮説の1つであり、熱帯林で主に研究され、近年では温帯でも検証が始まってきている。この仮説は、「親木の下ではその種に特異的な菌類や植食者が多いために種子や実生は死に易く、遠くに散布された個体が生き残り、親木の下には他種が定着することで種の置き換わりが促進されて種多様性が維持される」というものである。

本研究では、温帯林の種多様性維持におけるJanzen-Connell仮説の有効性について明らかにするために、野外播種試験、室内接種試験および大面積プロットにおける個体群動態・構造調査を行った。特に、以下の3点を明らかにすることを目的とした。1) 1つの林分に共存する複数種で同時にJanzen-Connell仮説が成立するか? 2) 病原菌や植食者に種特異性があるか?あるとすればどの程度か? 、3) 種子・実生段階だけでなく,個体が大きくなるまで効果が持続するか?この3点について温帯落葉広葉樹林で検証した結果を報告する。


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