| 要旨トップ | ESJ56 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
シンポジウム S20 -- 3月19日14:15-17:15 H会場
これまで温帯林の種多様性は光や土壌など非生物的な環境との関連を中心に説明されてきた。しかし,熱帯での多くの研究が示すように,植物の病原菌や共生菌、さらには植食者である昆虫・哺乳類などが植物の動態や植物間の相互作用を大きく左右することで、森林の種多様性の維持に大きく関わっていることが示されている。
森林の群集構造が出来上がる過程で、ベースとなるのはギャップや地形によって変化する光、水分、栄養塩類等の無機的な環境のヘテロ性だと考えられる。さらにその基盤の上で、植食者や菌類などとの狭いスケールでの相互作用が群集構造の決定に大きく関わっていると考えられる。これまで、森林群集の動態や多様性を決める要因として,無機的な環境のヘテロ性や樹木間の相互作用、さらには菌類や植食者との関係などが個別にそれぞれのスケールで説明されてきたが、それらの相互の関連性も、これから視野に入れる必要があるだろう。
本シンポジウムでは森林の種多様性を説明する多くのモデルから、特に、生物間、それも病原菌や共生菌さらには植食者との相互作用を仮定したものに絞り、最近の意欲的な研究を紹介したい。
[S20-1] 主旨説明
[S20-2] 地上部における菌類との相互作用が作り出す森林の種多様性
[S20-3] 地下部における菌類との相互作用が作り出す森林の種多様性
[S20-4] Janzen-Connell 仮説の温帯林での有効性
[S20-5] 物質分配から見た成長と生存のトレードオフモデル
[S20-6] シカおよびササとの相互作用が作り出す森林の種多様性
[S20-7] 種子捕食者の選択的資源利用と森林の種多様性