| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


自由集会 W03 -- 3月17日15:00-17:00 D会場

遺伝・発生・生態から探るシロアリのカースト分化と社会性

企画者: 北出 理(茨城大・理), 前川 清人(富山大院・理工)

「遺伝・発生・生態から探るシロアリのカースト分化と社会性」

個体の間に形態や行動が異なる階級(カースト)の違いがあることが、シロアリを含む社会性昆虫とその生態の大きな特徴である。階級分化の機構に関して、シロアリでは体内の幼若ホルモン(JH)の濃度が兵蟻の分化に影響することが古くから指摘されてきた。近年、カースト分化に伴うJH量の変動や、兵蟻分化へのJH結合性タンパク質の関与など、発生制御の至近的機構の新たな理解の上にJHの働きと形態形成が再検討されつつある。また、フェロモンのみによって制御されると思われていたワーカー(職蟻)の分化に関して、性染色体上の遺伝子座が階級分化を強く規定する、遺伝的階級決定の存在も明らかになった。一方、階級分化とも強く関連するシロアリの単為生殖現象については、その生態的意義に関わる興味深い新事実が明らかにされつつある。

本自由集会では、大きな変化を迎えつつあるシロアリの階級分化・生態研究の最新の状況を4名の演者に講演していただき、これをふまえてシロアリ社会と昆虫の社会性の研究の新たな方向性を議論したい。

ヤマトシロアリのカースト分化と形態変化 前川清人 (富山大院)

オオシロアリのカースト分化における幼若ホルモンの役割 Richard CORNETTE (農生研)

ヤマトシロアリにおけるカースト決定要因 林 良信 (農生研)

シロアリの女王位継承システムにおける単為生殖の機能 松浦健二 (岡山大院)


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