| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
自由集会 W09 -- 3月17日15:00-17:00 K会場
紀伊半島の台高山脈に位置する大台ヶ原は、ほぼ西限にあたるトウヒ群落や規模の大きな太平洋型ブナ林などの原生林が広がることで古くからよく知られているが、近年はニホンジカの増加による下層植生の消失・森林更新の阻害や、トウヒ林の崩壊、ミヤコザサ草原の拡大等、様々な生態学的問題が生じている。
そのような状況を踏まえ、平成14年度から環境省による自然再生の検討が行われ、平成16年度には「大台ヶ原自然再生推進計画」が策定された。この計画は5年に1度を目処に見直し、改定を行うことが示されており、今年度はその見直しが行われているところである。これまでに植生タイプ別に防鹿柵を設置し、その内外での植生や動物群集のモニタリング、それに実生の定着に関する実証実験が行われている。
大台ヶ原はこれまでにも数多くの生態学者が研究対象とし、多くの成果を積み重ねてきたフィールドである。それらの成果を踏まえ自然再生事業という課題に活用するためにも、はば広く開かれた議論が必要と考えている。本集会ではこれまで5年間の自然再生の試みを紹介しつつ、大台ヶ原の自然再生における現状・問題点を共有し、今後の展望について参加者の方々と議論できる場とし、出来るだけ多くの方にご参加頂きたい。
趣旨説明 日比伸子(橿原市昆虫館)・佐久間大輔(大阪自然史博)
総合討論コーディネーター 村上興正(同志社大)
大台ヶ原のシカ・森林・生態系
大台ヶ原自然再生事業〜過去から現在〜
自然再生の課題と展望