| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
自由集会 W19 -- 3月17日17:15-19:15 I会場
日本の現林政では、自然林を対象とした林業からは撤退するということになっています。いま問題となっている国有林乱伐は、その残滓とも言えるでしょう。この集会の企画者は、収奪的林業が森林生態系に及ぼした影響を科学的に検証することが、重要と考えています。国際的な森林資源の流通動態を考えると、将来的には木材資源も戦略的生物資源になる可能性もあります。したがって、過去の天然林施業の失敗を分析し、自国の自然林を持続的に利用するための管理策を考えることは、超長期的な視点からも意義があります。また最近では、生態学会の自然保護委員会で「国有林伐採問題」が議論されています。私達は、自然保護問題としての自然林伐採と施業研究は、同じ次元で議論されるべき問題と考えています。本集会では、問題告発型の現状報告と、今後、生態学という学問の範疇で行うべき研究テーマのマッチングを試みます。北海道から沖縄までの自然林伐採の実態を認識し、各森林施業における仮定の生態学的な妥当性を検証し、森林施業の生態リスクの評価手法を議論します。
自然林伐採の生態学的問題点
森林施業によって激減・絶滅した北海道の植物種
択伐後の回復過程に及ぼす林分構造・種多様性の効果−北海道北部の天然生針広混交林-
1987年知床半島伐採を年輪時空間データで再検討する
過去の失敗分析に基づいた森林施業研究へ向けて