| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


自由集会 W24 -- 3月20日14:30-16:30 W会場

海洋大形動物の空間利用を個体の移動軌跡から理解する

企画者: 綿貫豊(北大水産), 佐藤克文(東大・海洋研)

動物の環境利用は、ある瞬間の動物の分布とその時間変化を調べる方法と個体の行動を追跡する方法がとられ、これらのデータにハビタットの分布などを重ね合わせることで解析されてきた。動物の分布とハビタットを様々なスケールで分析することで、景観構造に応じた環境利用が研究されている。そういった環境利用パタンがみられるメカニズムを探るための一つの有力な方法は、個体の移動と行動を様々なスケールで解析することである。海洋大形動物は直接観察が困難であり、それゆえバイオテレメトリー技術やバイオロギング技術による追跡が試みられている。そのため結果的に陸上動物以上に微少な時空間スケールでしかも広範囲に長時間の個体の移動データが得られてきている。この自由集会では、カメ、海鳥、海獣などを材料として個体の移動データの取得と解析技術について紹介していただく。その上で、個体の移動軌跡の研究が構造を持った海洋景観における動物の環境利用の理解にどう役立つか議論したい。

地磁気コンパスと速度を使って慣性航法的に水中での3次元移動行動を推定し、動物の遊泳行動や採食行動を探る。GPS移動軌跡から海鳥の移動スケールを解析する。海鳥の南北長距離渡りをメソスケールで測定しその海洋環境利用を解析する。

地磁気加速度データロガーを用いたウミガメ類の三次元行動解析 楢崎友子,佐藤克文,宮崎信之(東大海洋研)

潜水経路の再現によるエンペラーペンギンの潜水戦略の個体差の解明 塩見こずえ(京大)

GPSを用いたオオミズナギドリの行動追跡 依田憲(名大・環境学)

海洋環境の季節変動に対応したオオミズナギドリの利用海域の変化 山本誉士(国立極地研),高橋晃周,岡奈理子,勝又信博,佐藤克文,Philip Trathan


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