| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


自由集会 W27 -- 3月20日14:30-16:30 Z会場

3.8%の吸収源はいつまで維持できるか?〜温暖化実験から〜

企画者: 梁 乃申(国環研), 高木健太郎(北大・北方生物圏), 中根周歩(広大院・生)

我が国の森林面積は国土面積の約70%を占めるとともに、適切な森林管理によるCO2吸収源として年間約1300万tCの蓄積能力があると評価されている。これは我が国の基準年排出量の3.8%に相当する。一方、IPCC第4次レポートによれば、大気中のCO2 濃度を200ppmほど上昇させた場合、森林の生産(NPP)は約20〜25%増加するとともに、落葉・落枝・枯死根などが増加することにより土壌有機炭素が徐々に増える。また、気温上昇に伴い、土壌有機炭素の分解が促進され、現在吸収源となっている陸域生態系は2050年以降に放出源に転換する場合があることが予測されている。

世界の森林土壌に比べて、日本の森林土壌の炭素貯蔵量は明らかに多く、我が国の森林土壌有機炭素放出に及ぼす地球温暖化の影響は大きいと考えられる。そこで、本集会では、現場の温暖化操作実験、全国レベルの土壌インキュベーション実験及び最新のオープントップチャンバー実験の結果を基に温暖化に伴う土壌有機炭素放出の反応を議論する。

コメンテータ: 及川武久 (筑波大学)

趣旨説明:土壌呼吸に及ぼす温暖化の影響 梁 乃申(国環研)

野外温暖化操作実験による土壌呼吸の地域的特性の解明 高木健太郎(北大・北方生物圏)

全国レベルの森林土壌インキュベーション実験 角張嘉孝(静大・農)

大型オープントップチャンバーを用いた高温・高CO2が土壌呼吸に及ぼす影響評価 中根周歩(広大院・生)


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