| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P1-303

鳥類の群集特性に注目した景観の評価

*今井はるか,中静透

都市公園・緑地における生物多様性の重要性が注目されている。この研究では,(1)都市公園における鳥類群集に特徴的な生態的特性は何か(2)都市公園において鳥類群集を変化させるのに重要な環境要因は何かという目的で研究を行った。仙台市中心部における20の公園を選び,繁殖期の中期後期に鳥類センサスを行い、局所・景観レベルの環境要因を測定した。CCAによって仙台市の鳥類群集は水環境の豊富さと都市環境の卓越性によって特徴付けられていることがわかった。高度に都市化された環境では、全体種数は減少する一方で多様性指数H’は増加した。都市環境下では,出現頻度の小さい種が減少して群集内の均等度が増加したためである。昆虫食と葉や枝先で採餌する鳥類種は全体群集の種数を増加させ、地上で採餌する種は全体群集の多様性に負の影響を与えていた。地上で採餌する種には外来種であるドバトが含まれ、これが群集内の他の種に負の影響を与えている可能性がある。したがって,水環境を増やし森林の面積を増やす(都市構造物を減らす)ことで,都市環境に順応できない種が出現する。また,低木・藪を増やすことによって昆虫食の種は局所的に増加し、地上で採餌する種は減少するので,多様性の高い鳥群集を作り出すには低木・藪を発達させることは効果が大きい。


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