| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-059

林床性のエイザンスミレと草原性のヒゴスミレにおける雑種集団解析

遠山弘法(九大・理・生物),矢原徹一(九大・理・生物)

雑種集団は、種の境界を決定づける環境と遺伝子間の相互作用を研究するための理想的な材料だと考えられている。近年、生態的に分化した2種の雑種集団における研究が盛んに行われており、大きく2つの結果が得られている。まず1つ目は、雑種集団におけるF1の優占である。これは、親種の中間的な環境下で中間的な遺伝子型を持つF1以外の子孫が、発芽後の生育地を介した選択によって除かれることで生じる。一方で、F1が少なく他の様々な交配型が観察される雑種集団も存在する。これは、雑種集団内の微環境の違いに対応して様々な遺伝子型を持つ個体が定着することによって生じる。本研究では、光環境で分化したと予測されるエイザンスミレとヒゴスミレの雑種集団を用いて、雑種集団がどのような遺伝子型、及び表現型で構成されているのかという疑問に取り組んだ。形質測定は、種間で多様化選択が働いており種内で均一化選択が働いていることが示唆された、春葉重/面積を測定した。雑種の遺伝子型の推定はAFLPを用いて行った。発表では、この結果について議論する。


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