| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P2-169
湖沼は、集水域の環境変化や魚の放流など様々な人間活動の影響を受けやすい生態系の1つである。しかし、このような影響を評価するための長期的な観測は一部の大型の湖沼でしか行われておらず、山間部の湖沼やため池などの生物群集が人為的な影響でどのように変化してきたのかはよくわかっていない。私達は、ため池などの小湖沼でのプランクトン群集と環境変化との関係を明らかにするため、山形県の白鷹湖沼群にあるため池、畑谷大沼を対象に、古陸水学的手法によって過去80年にわたる動・植物プランクトン群集の変動を復元してきた。前回の発表では、Daphnia休眠卵のDNA解析から複数のDaphnia種がいること、このうちDaphnia pulex が1980年頃より侵入し定着した種であることを報告した。今回は、Daphnia pulex が侵入し始めた時期に、他の動・植物プランクトン群集はどのように変化したのかについて報告するとともに、プランクトン群集の変動から推定される生物間相互作用の変化とその変化を引き起こした環境要因について議論する。