| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-HS05

生物多様性保全の場としての学校ビオトープの可能性−船橋芝山高校の「里山生態園『芝山湿地』」

*田中信, *丸山裕輝, 小林篤史(千葉県立船橋芝山高校)

本校は千葉県船橋市の大きな団地と住宅地の一角にある学校です。校内に里山環境を復元した「里山生態園『芝山湿地』」と呼ぶビオトープがあります。ここはこの地域がかつて里山であったことから、かつて生息していたと思われる里山生物を定着させ地域の生物多様性を保全するために、斜面林下の湧水を水源に小川、池、水田、湿地などの多様な水辺を復元したものです。面積は約600平方メートルです。復元に着手したのは1999年、現在では湧水補助として雨水利用を行い、湿地には木道を配置しています。

整備が進むにつれて、いろいろな生物が入り込んできました。また、ヘイケボタル、ニホンアカガエル、メダカなどについては環境が整ってから近隣の生息地から人為的に持ち込みました。現在ではそれらの生物がしっかり定着し、千葉県RDBに掲載されている絶滅危惧種が25種も確認できるまでになっています。里山環境が破壊されたり、人手が入らなくなったことで生物多様性が失われている現在、本校のような学校ビオトープでも、地域の生物多様性を保全する場所にできる可能性があると思われます。


日本生態学会