| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-HS22

サンゴと共生生物”褐虫藻”の研究

*高橋東子, 青木あかり, 小西由香理(法政大学女子高校)

造礁サンゴは褐虫藻という藻類を共生させ、生態系の生産者として重要な位置にある。近年、サンゴの白化が懸念されているが、白化現象は海水温の上昇などのストレスが原因でサンゴに共生する褐虫藻がサンゴ内から逃げ出すことによって起こる。褐虫藻という栄養供給源を失った白化サンゴはその後死滅する。しかし、一度白化したサンゴが回復した例がある。そのサンゴに共生していた褐虫藻は、白化以前とは異なる種類のものが共生していたという。最近の研究で、サンゴは複数の褐虫藻と共生し、環境の変化に応じて褐虫藻の組成を変えているということがわかってきた。

そこで私達は、慶良間諸島の阿嘉島で採取された褐虫藻と共生関係をもつ6種の造礁サンゴとヒメシャコガイ、ムカデミノウミウシの共生褐虫藻のrRNA遺伝子の領域について遺伝子解析を行い、どのような種類の褐虫藻が共生しているのかについて調べた。さらに、実験による解析結果とデータベースを照合し、共生する褐虫藻のクレードを調査している。生物多様性・生態系の保全が重視される昨今、サンゴに共生する褐虫藻と環境の関係を調査することは大変意義があると思われる。

本研究は、SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)の支援を受け、お茶の水女子大学の服田昌之先生のご指導のもと行われたものである。


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