| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P2-HS25
2009年夏より未来の科学者の要請を目的とした、早稲田大学「出る杭」育てるプログラムに生物・地球環境班として、大学の先生や大学院生の方々のサポートを受けながら、「森を測る」をテーマに生態学の研究の一端を体験した。
近年、地球温暖化問題が深刻化し、原因となる炭素の循環に関する研究が注目されている。本研究では、炭素循環において重要な、森林の樹木に貯蓄されている炭素量の推定を行った。
早稲田大学軽井沢試験地の冷温帯広葉樹林で、30m×30mの方形区を設置し、毎木調査を行った。その結果、14種460本の樹木が存在し、そのうち、182本がヤマウルシで、一番多かった。しかし、炭素量でみると、本数では126本であったコナラが全体の55.7%を占めていることがわかった。また、この森林には全体で13.3t の炭素が貯蓄されており、これは、人間1人が生活により排出するCO2の約5年分に相当する。現在、土壌からの炭素放出量や、それらの制限要因の調査も行っており、その状況についても報告する。