| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-012
水田に暮らす両生類は、どこで越冬しているのだろうか?この問題は、水田生態系の保全を考える上できわめて重要であるが、冬期には両生類の探索そのものが難しくなるために、実際にはほとんど調べられていないのが現状である。圃場整備等の土地改変を行う際には、改変後も両生類の越冬に好適な環境を提供できるかどうかが検討されるべきであるが、彼らがどこで越冬しているかが不明な現状では、こうした議論も不可能である。このような背景のもと、発表者らは、6種の両生類(ニホンアマガエル・シュレーゲルアオガエル・トノサマガエル・ナゴヤダルマガエル・ツチガエル・ヌマガエル)が生息する京都府亀岡市の水田において、地権者の協力を得て、各種の越冬場所の探索を目的とした6つの手法を試みた。1)秋期に畦畔と田面の一部をフェンスで仕切り、その中に両生類を放逐して冬期に掘り返す。2)何も手を加えていない畔畔と田面を冬期に掘り返す。3)冬期の耕運の際に、耕運機の背後で掘り起こされた土を観察する。4)畔畔や田面のモグラ穴を掘り返す。5)水田に隣接する林地において、倒木の下を探索する。6)水田に隣接する水路において、よどみなどの水中を探索する。これらのそれぞれの手法で探索を行った結果を紹介する。