| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-200

雪の上の移動野生動物の自動検出アルゴリズムのための単木抽出アルゴリズム

*大石優(筑波大), 松永恒雄(国環研)

ヒトと野生動物の共生には、野生動物の保護と管理が不可欠である。しかし特に大型哺乳類については、保護と管理に必要な対象種の個体数・行動域などの情報が不足している。

そのため、個体数については統計的に推定する各種手法の研究、行動域や行動パターンについては対象個体に発信器を装着するテレメトリー調査が行われてきた。しかし推定法に含まれる誤差や、発信器装着による影響が懸念されている。そのため、広域情報が得られ、尚かつこれらの手法と併用できる新たな調査手法の開発が求められている。

一方、航空機リモートセンシング画像は広域情報が得られ、衛星に比べて高解像度の画像が得られる(使用した画像は20平方キロメートルの範囲を9分間で撮影、画素サイズ8cm)。

これまで我々はDTR(Computer aided detection of the tracks of wild animals algorithm)アルゴリズムを開発し、航空機デジタル画像に写った雪の上の野生動物の足跡の自動抽出とその利用について研究を行ってきた。今回は航空機デジタル画像のオーバーラップ領域を用いた雪の上の移動野生動物の抽出アルゴリズムに必要な単木抽出アルゴリズムについて報告する。使用した画像は隣接画像間で約60%オーバーラップするように撮影されているので、重複領域を重ね合わせ、移動体かどうかを判断することで移動野生動物を抽出した。現在、画像同士の重ね合わせは、目視で対応点(木の根元)を見つけて行っている。しかし、これには多くの工数がかかることが問題となっている。そこで単木の自動抽出アルゴリズムを開発した。使用した画像は真下を向いたカメラによって撮影されているので、真っ直ぐに立っている木は画像中心から放射状に写る。そのため画像中心方向に伸びる線状のものを判別することで単木抽出を行った。


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