| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-231

沖縄島におけるダンゴムシ類の分布

*高橋祐衣(岡大院・環境),宮竹貴久(岡大院・環境)

日本に生息するダンゴムシ類は、コシビロダンゴムシ科Armadillidae2属22種とオカダンゴムシ科Armadilldiidae1属2種が知られている(布村, 1999)。コシビロダンゴムシ科とオカダンゴムシ科は、体を完全に丸くすることができ、外見は酷似しているが、前者は在来種であり、後者は外来種であるという点で大きく異なる。沖縄島に生息しているコシビロダンゴムシ科の種は、シュリコシビロダンゴムシVenezillo shuruiensis (NUNOMURA, 1990)とヤンバルコシビロダンゴムシVenezillo kunigamiensis (NUNOMURA, 1991)である。オカダンゴムシArmadillium vulgareは本州・四国・九州の庭や公園、畑地や道路わきなど人為的な環境を中心に広く生息するが、これまで北海道や南西諸島などの島には侵入していなかった。しかし最近になって、北海道で局所的にではあるが、オカダンゴムシの生息が報告された(鈴木, 私信)。一方沖縄では、これまでオカダンゴムシの分布に関する報告がなく、侵入していないと考えられてきた。

しかし私たちが2008年12月と2009年9月に、沖縄島の各地13地点において調査を行った結果、那覇市港町の1地点で生息が確認された。シュリコシビロダンゴムシは全13地点中4地点で、ヤンバルコシビロダンゴムシは全13地点中5地点で生息が確認された。今回の調査で、初めてオカダンゴムシの沖縄県への侵入が確認された。オカダンゴムシは沖縄島にはまだ移入したばかりと考えられるが、今後オカダンゴムシが沖縄島に定着する可能性は大いに考えられる。那覇港周辺では、すでに定着していると考えている。


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