| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-248
神奈川県において,外来生物タイワンリスの樹皮剥ぎ被害が近年激しくなってきており,在来生態系への影響が危惧されている.そこで,タイワンリスの剥皮特性を明らかにするために,樹種ごとの剥皮選択性及び,同じ樹種の剥皮有無とDBH,樹高を比較した.
樹種別の剥皮選択性を,侵入時期の比較的新しい林分と古い林分を選択し,調査した.林内の散策路沿いに出現した剥皮木と健全木の樹種,本数を記録し,Ivlevの選択指数を試算した結果,全調査地でミズキ,タブノキの選択指数が高かった.また,2箇所の調査地で共通してイロハモミジの選択指数が高かった.コナラ,ムラサキシキブは共通して忌避性を示した.スダジイ,アカメガシワは調査地によって結果が異なった.
侵入時期が比較的同じ林分において,同樹種の被害有無とDBH,樹高を比較した.その結果,胸高直径と樹高の平均値は有意差が認められなかった.
さらに,同じ樹種における被害差について樹皮中糖分量との関係を明らかにするため,選択指数の高かったミズキ,タブノキ,イロハモミジの個体間の樹皮中糖分含有量と被害有無とを比較した.