| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
シンポジウム S05-5
外来種が引き起こす在来生態系への影響は甚大で、生物多様性や生態系機能の低下のおもな要因のひとつになっている。今後の外来種対策の成否が、将来の生物多様性を大きく左右するといってもよいであろう。しかし、私たちの生態系の仕組みに対する理解はあまりにもわずかなため、よかれと思って実施した対策が、それほど効果を発揮しなかったり、時には逆効果を引き起こしてしまうことも少なくない。
本講演では、演者らがこれまでに関わってきた奄美大島のマングース、ノイヌ、ため池のザリガニ、海外の島嶼域のクマネズミ問題を題材に、人間の直感的心理に基づく行動や本来生物を守るためにある法律などと、実際の効果との間に生じうるギャップについて紹介する。また、生態系の仕組みを理解することの重要性や、意思決定プロセスの課題について議論したい。