| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
シンポジウム S17-6
本プロジェクトで作成を急ぐトキ野生復帰に向けた自然再生のシナリオは、完成した後に放鳥したトキによる診断を仰ぐこととなる。トキのモニタリングを通し、具体的な自然再生の取り組みに対し、トキがどのような反応を示すのかを定量的に評価し、適宜、立案した自然再生計画にフィードバックさせていくことで、トキの定着実現に向けた順応的管理手法が確立できるといえる。それを達成する上で不可欠なことは、行政機関やNPOが実施する様々な自然再生の取り組み情報を常に一元的に掌握し、その情報に基づき効率的・効果的に、次なる自然再生を組織横断的に展開することである。われわれは、立案した自然再生シナリオが速やかに実現される体制を整備するため、これまで農地・河川に関わる行政連携体制の強化を図ってきた。本講演では、特に農地を例に、再生を推進する上で鍵となる幾つかの取り組み事例を紹介する。