| 要旨トップ | ESJ57 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
シンポジウム S17 -- 3月19日9:00-12:00 G会場
平成20年9月25日、新潟県佐渡島において、わが国で一度野生絶滅したトキが再定着に向けて放鳥され、引き続き平成21年9月29日に2次放鳥が実施された。平成20年に佐渡島に再導入された1次放鳥のトキは、環境省が定着を期待し、生息環境整備が進められてきた小佐渡東部地域にはほとんど居着かず、放鳥後まもなく佐渡島内を広域に分散するようになった。われわれはトキが小佐渡東部地域から将来的には域外に分散することを予め想定し、2007年に環境省地球環境研究総合推進費の助成による「トキの島再生研究プロジェクト」を発足し、佐渡島全域を視野に入れ、餌生物量およびトキの生態特性に基づく自然再生シナリオを立案する取り組みを進めてきた。さらに、再生シナリオに沿った生息環境整備を速やかに達成するために、トキの生息環境となる農地・河川を対象として、関連機関との連携体制の強化に取り組んできた。本シンポジウムでは、トキの野生復帰を実現するために実施してきた一連の研究成果および体制強化の取り組みを紹介する。
コメンテーター:
藤岡正博(筑波大・院・生命環境)
[S17-1] 佐渡のデータベースをつくる
[S17-2] 景観レベルからみた再生候補地の抽出
[S17-3] 河川と農地の再生技術
[S17-4] 水田生態系の生物多様性はどのように決まる?
[S17-5] 佐渡において放鳥されたトキの餌メニューとハビタット選択
[S17-6] 自然再生を実現する体制をつくる