| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
企画集会 T09 -- 3月16日17:30-19:30 J会場
生態学は,私達の日常の感覚ではとらえきれない事象を多く扱っています。長い時間のかかる変化,広い空間変異,複雑な種間関係,偶然に支配された確率的事象など,いずれも直感的には理解しにくいものです。
こうした現象を扱う生態学の理論や研究成果を,子どもや一般の大人,学生たちに説明し,理解してもらうこと。それが難しい作業であると感じたことのない生態学者は,ほとんどいないでしょう。博物館・科学館などの社会教育施設に限らず,多くの専門家が,授業や研究成果の公開などで日常的にこの課題に直面しています。今後,環境保全に関わる行政計画や事業の実施にあたって,生態学者が一般の人に対して「分かりやすく」生態系のしくみを説明する機会もますます増えてくるでしょう。
目に見えない現象や論理を分かりやすく伝えるには,図やアニメーションを使った「ロジックの視覚化」が効果的であることを,私達は経験的によく知っています。海外の博物館では,演劇的な手法や演示(実験ショーなど)を通じて生態学の理論を説明する手法の開発が進められており,研究領域の一つともなっています。
本集会では,話題提供として下記の2つの具体的な実践例を紹介していただきます。また,博物館における生態学理論の解説演示例を,動画でご覧いただきます。これらの実践例をもとに,会場の皆様からコメントをいただき,生態学理論の視覚化について,議論と理解を深めたいと思います。
コメンテータ:中田兼介氏(東京経済大学)
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