| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-034J (Poster presentation)

進化し続けるイブキ・ハクサンハタザオ:機能遺伝子の時空間変動

*森長真一,岩崎貴也(東大・総合文化),永野惇(京大・生態研),伊藤元己(東大・総合文化)

生物は、それぞれの分布する環境に適応し、巧みに生きている。しかしながら、生物を取り巻く環境は常に変化しているため、それに合わせて適応し続けなければなければならない。近年の遺伝子解析技術の向上と発展は、過去の生物と現存する生物の遺伝子比較を可能にし、環境変化に対する生物の進化的応答の解析にも革新をもたらした。

ハクサンハタザオとその派生系統であるイブキハタザオは、モデル植物シロイヌナズナに最も近縁な植物であり、シロイヌナズナで明らかとなってきた多くの知見を適用することができる。また100年以上前から様々な場所で採取されており、その標本が全国の博物館等に収蔵されている。そこで現在、ハクサンハタザオとイブキハタザオの現生個体と標本個体の遺伝子解析を通じて、数十年スケールでの進化的応答について解析を行なっている。発表では、次世代シーケンサーを用いた全ゲノム解析に基づく適応遺伝子の探索に触れ、適応遺伝子や二酸化炭素応答関連遺伝子などの機能遺伝子の時空間変動の実際を示す。これらの結果に基づき、局所適応と環境変動に対する進化的応答の関連について議論する。


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