| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-035J (Poster presentation)
海藻の多くは、半数体世代(配偶体)と2倍体世代(胞子体)が独立した藻体をもち、それらが減数分裂と接合で世代交代をする生活環をもつ。その生活環のパターンは大きく分けると、片方の世代が大型の藻体になりもう片方の世代が微視的になる異形生活環と、両方の世代が同じ形と大きさになる同形生活環の二つに分類ができる。
さらに、その中でも異形生活環を示す種に着目すると、配偶体が大型化して胞子体が微視的になるグループ(ウシケノリ目、カヤモノリ目、ヒトエグサ科etc)と、胞子体が大型化して配偶体が微視的になるグループ(ダルス目、コンブ目、モツキヒトエグサ科etc)が、紅藻、褐藻、緑藻それぞれに存在する。
配偶体と胞子体の相対的な優位性に関してはこれまで、遺伝学的特徴による差異と、生態学的特徴による差異が議論されてきた。この研究では、異形生活環における2種類の生活環の相対的な優位性について生態学的な側面から理解することを目的とした数理的研究を行う。本発表では現時点までの研究の進展を報告したい。