| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-313J (Poster presentation)
十和田八幡平国立公園内にある田代平は,昔からシバ草地として有名である。しかし近年,周辺の人工草地からの逸出と考えられるブタナが目立ち,景観を損えている。そこで,田代平におけるブタナの生態を把握して,半自然草地でのブタナの抑制方法を検討している。本報では,特にブタナの花茎の成長に着目し,外来牧草(イネ科草)との競争について明らかにする。
シバ草地周辺の採草地を調査対象区とし,ライン法でブタナとイネ科草の花茎高や草高の経時変化を調べた。
ブタナの花茎高は,最初の14日間は2cm/日の速度で成長し,その後45cmまで伸長した。イネ科の草高は,37cmまで0.7cm/日の速度で成長した。イネ科草の稈長とブタナの花茎高の間には有意な正の相関関係が見られたことから,イネ科草の稈とブタナの花茎が種子の散布領域をめぐって競争していると推定した。