| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
企画集会 T05-2 (Lecture in Symposium/Workshop)
群集内での種多様性のバラツキ(ベータ多様性)は、環境経度に沿って変化することが古くから知られている。例えばストレスが強い環境ではそれに耐えられる種だけが分布するようになるため、ベータ多様性が低くなる。群集集合プロセスが環境経度に沿って変化するため、このようなパターンがつくられると、これまで考えられてきた。一方で、近年では群集プロセス自体は変化せずに、種プールの大きさだけが変化することによってベータ多様性のパターンが作られているという報告もある。このようにベータ多様性の違いを生み出す要因にはまだわからないところが多い。環境傾度にそった群集集合プロセスを定量的にみるためには、種の生態的戦略の違いを考慮した指標をあつかうことが必要となる。本講演では、青森県八甲田山系の標高574mから1285mに成立する28ヶ所の湿原植物群集を例に、 植物群集の集合プロセス解明のアプローチとして、各種の機能形質に着目し、群集内と群集間の機能的多様性のバラツキを生み出す要因について紹介する。