| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(口頭発表) D2-23 (Oral presentation)

穿孔性甲虫ニホンホホビロコメツキモドキによる共生酵母の垂直伝播と菌園の創設

*土岐和多瑠(東大院農),高橋由紀子(東大院新領域),富樫一巳(東大院農)

昆虫(栽培者)と菌(被栽培者)の栽培共生において、菌園の迅速な創設は重要である。菌園の創設過程は社会性昆虫(ハキリアリ、キノコシロアリ、養菌性キクイムシ)でよく知られているものの、非社会性昆虫においては未解明の部分が大きい。我々は、竹の節間内で酵母を栽培する非社会性昆虫ニホンホホビロコメツキモドキについて、菌園の創設初期段階を調べた。メス成虫は、産卵時、腹部に有する菌嚢から産卵管を介して酵母を卵の末端と節間内表面に接種していた。孵化幼虫の存在下、節間内の至る所で酵母の増殖が見られた。これらの結果は、産卵管が酵母の垂直伝播に重要な役割を果たすこと、幼虫が菌園の創設に大きく貢献していることを示唆している。


日本生態学会