| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(口頭発表) E2-24 (Oral presentation)
代謝スケーリング理論の発展とともに、アロメトリー式のべき定数が注目されているが、代謝量のレベルを決める規格化定数もまた重要である。本研究はアロメトリー式の規格化定数に着目し、規格化定数に葉寿命を導入することによって、葉寿命理論とスケーリング理論を統一し、一次生産と相対成長率を葉寿命で表そうという試みの第一報である。Kikuzawa (1991)の葉寿命理論から、植物の生産速度(一次生産)を表す公式を導いた。それによれば、一次生産は葉寿命(の逆数)と葉量によって表される。アロメトリー理論によれば葉量は植物個体重のべき乗によって表されるので、結局、一次生産は葉寿命と個体重によって表され、葉の光合成能力とは無関係である。また相対成長率は葉寿命に反比例することが予測される。後者は、実験結果によって、ほぼ裏付けられている。