| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-178 (Poster presentation)
グッピー(Poecilia reticulata)は、色覚に種内多型が存在することが知られていたが、近年、長波長光の感受に関わるLWSオプシンをコードする遺伝子が、遺伝子重複により4遺伝子座存在していること(LWS1, LWS2, LWS3, LWS4)、そのうち3遺伝子座においてアミノ酸置換を伴う配列多型があることが確認された。また、原産国であるTrinidadの集団において、各LWSオプシン遺伝子座について集団間で異なる選択が働いていることが明らかになった。しかし、LWS遺伝子の多型がどのようにオプシンの発現量に影響するのか、また、どのDNA領域が色覚あるいは発現量の変異を引き起こすのかについてはまったくわかっていない。本研究では、重複した複数のLWSオプシン遺伝子(LWS1, LWS2, LWS3)の発現量を測定し、異なるLWSオプシン遺伝子型をもつ個体間で各遺伝子座の相対発現量に差異が認められるかどうかを確認した。実験には、沖縄野生個体の継代飼育により作成した、LWSオプシン遺伝子型に基づく2つの系統を使用し、2系統間でLWSオプシン遺伝子の発現量比較を行った。また、各LWSオプシン遺伝子に関してシス制御領域の塩基配列を読み、注目すべき遺伝的変異があるかどうか解析した。