| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-335 (Poster presentation)

SNSで見る日本人の動物ニュースへの反応

*田村成実(明治大院・農),倉本宣(明治大・農)

■はじめに

人が動物に対して持っている意識や態度である「動物観」は、生命倫理や動物の権利に対する意識、宗教の違いや歴史によって土地ごとに異なるといわれている。文化の差異が大きな欧米人と日本人の動物観は特に差があるとされる。動物観の研究は、1970年代から欧米で取り組まれてきた研究であるが、日本ではまだ日が浅く、多くの知見を集め、現在の日本人が持つ動物観を探ることは、将来の研究のためにも急務である。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を用いると、ユーザーのニュースに対する反応を早急に得ることができる。今回は、2012年に国内で起こった動物に関わるニュース(以下、動物ニュース)に対するSNS上での反応を集め、日本人は動物ニュースに対してどのように考える傾向があるのかを考察する。

■研究方法

(1)動物ニュースの選定

読売新聞社提供の読売新聞記事データベース、「ヨミダス歴史館」を用い、2012年1月1日から12月31日に掲載された記事を「動物」でキーワード検索した。その中でも、全国版掲載の1000字以上の記事を大きな取り扱いの動物ニュースとして選定し、カテゴリーごとに分類した。

(2)SNSの反応

(1)で選定した動物ニュースを、facebook、twitter、mixiの3社でどのような反応がなされているか検索し、反応数とユーザーの感想の言葉を計測する。

■予想される結果

選定された動物ニュースは、ペットの問題、外来種問題、生物多様性、クマ牧場での事故、トキやコウノトリの保全、動物園でのパンダ誕生のニュースなど多岐にわたる。日本人の動物観は欧米と比べて、情緒的とされている。対策や科学性について議論するよりも、記事に付属する写真等に対して「かわいい」や「かわいそう」などの感覚的な言葉を用いる傾向があると考えられる。


日本生態学会