| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-336 (Poster presentation)
エゾシカ Cervus nippon yesoensis(以下,シカ) が頻繁に利用する移動経路の解明は,個体数管理技術の向上において重要である.本研究では,北海道十勝管内幕別町の山地,河畔林,防風林に自動撮影カメラを設置し,林分内におけるシカの移動を調査した.得られたデータから撮影頻度を算出し,局所環境要因,景観構造および周辺の農作物との関連性を調べた.
その結果,各カメラサイト周辺の森林面積合計との間に正の相関,山地との距離,河川までの距離との間に負の相関が示された.森林タイプごとに撮影頻度を比較すると,ビートの収穫期において河畔林で頻度が高まった.これらの結果から,河畔林がシカの主要な移動場所として利用されていることが示唆された.