| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-124 (Poster presentation)

Relative importance of pathogenic- and arbuscular-mycorrhizal fungi on seedling establishment in heterogeneous light conditions in a temperate forest

*Bayandala(Tohoku Univ), Fukasawa Y, (Tohoku Univ), Seiwa K(Tohoku Univ),

森林種多様性を説明する有力な仮説の1つにJanzen-Connell仮説(J—C仮説)がある。これによると、成木の近傍では種特異的な病原菌や植食者によって同種実生が他種実生より高い死亡率を示し、他種の実生が更新し高い多様性が実現する。しかし、J-C仮説は林内における病原菌のネガティーブフィードバックだけを仮定しており、ギャップを含めたモデルではない。一方、ギャップでは親木の周囲の菌根菌ネットワークにより、同種実生の成長が促進されるといったポジティーブフィードバック作用があることが知られている。もし、母樹近くでギャップが出来た場合、同種を特異的に助けるなら、母樹周辺に同種実生が分布するようになり、種多様性を減少させるようになるだろう、このように種多様性を維持メカニズムの解明には病原菌だけでなく菌根菌との相互作用の解析を林内とギャップ両方で行う必要がある。本研究で、広葉樹2種(ミズキ、ウワミズザクラ)それぞれの母樹下(林内区)および母樹のすぐ横の木を伐倒したギャップ区に2種の種子をそれぞれ播種し、翌春に実生の病原菌・菌根菌の感染率ならびに成長、死亡要因を調べた。暗い林内では2種成木の下では、それぞれの病原菌により、同種実生の死亡は他種より高かった。一方、明るいギャップでは、アーバスキュラ菌根菌の感染率が林内より高くなり成長量も大きくなった。ギャップでも病原菌の高い感染が見られたが、死亡率が低かったのは菌根菌による防御が働いているのかもしれない。


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