| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-175 (Poster presentation)
イチジクと花粉を媒介するイチジクコバチは、授粉/産卵を介して、相利共生関係にある。雌性両全性異株(機能的には ”雌雄異株”)のイチジクでは、”オス” の木では授粉/産卵が行なわれ、”メス” の木では授粉のみが行なわれる。その際、イチジクコバチのメスは、花のうに潜入し授粉と産卵をした後、その花のうの中で死ぬと考えられてきた。しかし近年、イヌビワコバチを含む一部の種では、産卵後、メスが再び花のうの外に出てくることがわかってきたが、その意味についてはよくわかっていない。これまでの研究で、”オス” の木の花のうから出てきたイヌビワコバチのメスは他の花のうに潜入することはできず、”メス” の木の花のうから出てきたメスは他の花のうに潜入し授粉を行なうことができることが確認された。
今回の研究では、イヌビワコバチのメスが再潜入し授粉することがイヌビワの ”メス” の木に与える影響に注目し、2個目に潜入/授粉された花のうの種子数・果実重などを調べ、その有効性について議論する。