| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-217 (Poster presentation)
ヒトの学習能力には個体学習と社会学習があると仮定する。個体学習能力を有するものを個体学習者、社会学習能力を有する者を社会学習者と呼び、これら学習者の増殖と拡散を表す反応拡散方程式モデルがWakano et al.(2011)によって報告されている。Wakano et al.(2011)では環境が空間的に一様である場合について報告されているが、本研究では、ある一定の幅で環境が変化し、かつ同じ環境は二度と現れない場合について調べた。このような環境のことを異質環境と呼び、異質環境下で一定時間経過した時の個体学習者と社会学習者の個体数の変化、分布域の変化、分布拡大速度に注目している。個体学習者はコストが大きくなるほど生き残りにくくなる。しかし異質環境下においては同じコストならば、環境の幅が小さい、つまり環境が次々に変化するほど、個体学習者の分布域が広くなるという結果が得られた。