| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-241 (Poster presentation)
唐沢山は奥羽山脈の南端に位置し、福島県と栃木県の県境に近いなだらかな高原である。標高1000 m弱の山頂部周辺の植生は、ブナなどの落葉広葉樹林や皆伐後に発達した二次林、ススキ草地など、変化に富んでいる。
唐沢山山頂には学校法人佐野学園の英語研修施設兼宿泊施設、ブリティッシュヒルズがある。施設周辺の動物相については、建設初期の22年前に土壌動物と鳥について調査が行われている(寺田1991、1994)。施設職員および利用者の森林生態系に対する認識は低いものの、ニホンジカやツキノワグマ、キツネなどの目撃情報も多いため、哺乳類への関心は高い。そこで我々は、この地域の動物相をできるだけ広く把握・周知することを目的として、2011年度より生物相調査を行なってきた。
2011年度は、春・初夏・夏・晩秋・冬に踏査および定点観測、食痕・糞の定性調査、赤外線センサーカメラによる自動撮影を行い、陸棲貝類36種、両生類7種、爬虫類3種、鳥類61種、哺乳類23種を確認している。
2012年度は春・初夏・初秋・晩秋に2011年度同様の調査を行ったほか、沢の探索を行い、赤外線センサーカメラの新たな設置場所を模索した。初秋には昆虫類の調査も行った。また2011年5月から気温を連続観測しているので、これらの結果を報告する。
この研究は神田外語大学研究助成金の助成を受けて行っている。