| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-416 (Poster presentation)
里山では、農林水産業の衰退、人口の流出、高齢化、耕作放棄地の増大、そして鳥獣害が全国各地で課題となっている。鳥獣害は、経済的な損失をもたらすことに加えて、農家の営農意欲を減退させる原因となり、ひいては里山の諸課題をさらに悪化させる原因となることが指摘されている。里山における野生鳥獣による被害の管理は、地域における農村環境の維持や生活安全のためにも重要である。
野生鳥獣による被害管理には、事業活動の管理で応用されているPDCAサイクルを適用することができる。この際に、地理情報システム(GIS)を活用し、現場で発生した被害や、設置した防護柵、加害獣の捕獲といった対策を、整理・分析しようとする試みが行われている。筆者はこれまで、栃木県や鳥獣害対策協議会に加盟する市町のデータベースの作成や分析を支援してきた。本研究では、これらの経験の中から見えてきた里山における鳥獣害GISデータベースの応用と課題について報告する。