| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA1-103 (Poster presentation)

6年周期一斉開花植物コダチスズムシソウの系統的背景

*柿嶋聡,吉村仁(静岡大・創造院),邑田仁(東大・理・植物園)

周期的一斉開花一回繁殖型とは、それぞれの種類に固有の1年を越える特定の周期で一斉開花・枯死を繰り返す生活史である。イネ科のタケ類では多くの種類で周期的に一斉開花・枯死することが知られているほか、キツネノマゴ科のイセハナビ属でも周期的一斉開花・枯死する種類が知られている。これまでにもタケ類で多くの研究が行われてきたものの、周期がきわめて長いために生活史が明らかとなっていない種類も多く、周期的一斉開花一回繁殖型の進化機構は、ほとんど分かっていない。そこで、一斉開花・枯死の周期が比較的短く、生活史進化を検証するのに適しているイセハナビ属のコダチスズムシソウStrobilanthes flexicaulisに着目した。これまでの発表者らの研究で、コダチスズムシソウは沖縄本島で6年周期の一斉開花・枯死をすることが明らかとなってきた。本発表では、コダチスズムシソウの分布域全体および近縁種オキナワスズムシソウの生活史を明らかとしたうえで、両種が含まれるParachampionella群の分子系統解析を行い、コダチスズムシソウの6年周期の周期的一斉開花・枯死がどのように進化してきたのか、考察する。


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