| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA1-133 (Poster presentation)

富士山のホシガラスはゴヨウマツを貯食するIII:どこに埋めていつ食べるのか?

*西 教生,別宮(坂田)有紀子(都留文科大学)

富士山北麓の森林限界付近に生息しているホシガラスは、ゴヨウマツの種子を貯食している。演者らの調査により、ホシガラスは8〜11月にかけて林内、パッチ状植物群落内(以下、パッチ)、裸地に貯食をすることがわかった。

ホシガラスは、どこに埋めた種子をいつ利用するのであろうか。貯食型の種子散布においては、種子を貯食した場所と、その種子をいつ利用するのかを対応づけて考えることは、散布された植物の定着や種子の運命を左右する大事な要因であり、動物と植物の相互作用を把握する上で重要である。

そこで本研究では、ホシガラスがどこにどのくらい種子を貯食するのかということと、どこに埋めた種子をいつ食べるのかを明らかにするための調査をおこなった。

貯食場所については、2011年と2012年の9〜11月に月に2〜4回ずつ直接観察によって林内、パッチ、裸地の3箇所のどこに貯食しているのかを記録した。埋めた種子の利用状況については、林内、パッチ、裸地に10m×10mの調査区を設置し、2011〜2013年の4〜9月に月に1〜2回ずつ調査区内でホシガラスの食べ跡を調べた。

これらの結果から、ホシガラスの貯食場所と、環境ごとの種子の利用状況の関係を考察する。


日本生態学会