| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA2-027 (Poster presentation)
火山噴火・台風等の大規模な撹乱は、生物の群集構造を大きく改変させる. 2011年3月11日,東北地方太平洋沖で発生した地震に伴う津波は,太平洋沿岸域に壊滅的な被害を与え,自然環境も甚大な被害を受けた.津波に伴う物理的攪乱と環境変化は,沿岸生態系に大きな影響を及ぼしたといえる(Hayasaka et al.2012).津波後における生物群集の遷移課程を追跡することは,群集構造の決定機構や多種共存メカニズムを理解するために重要である.中でも底生動物群集は,津波の強度や植生,護岸の有無,岩礁帯と砂浜海岸等の生息場所のタイプにより受ける影響が異なり,攪乱後の回復速度も分類群や機能群によって異なる(金谷ほか,2012).津波のような大規模攪乱が生態系に対しどのような影響を及ぼしたのかを明らかにするためには,津波前後での生物相を比較することが重要である.
そこで本研究では,津波後の徘徊性節足動物群集の動態について2年間モニタリングした結果を報告する.